家庭菜園

イチジク

イチジク

落葉果樹・クワ科 イチジク

種類と品種

日本で営利栽培されているものの多くは、『桝井ドーフィン』と関西の一部で作られている在来種(蓬菜柿)の2種です。とくに在来種は樹勢が強いので、小さく仕立てるには不向きです。どちらも果実は大きく、実着きも良いのですが、甘味が少なく、味はいまひとつです。
ほかに、収穫は少ないですが、甘味が強く味の良い『ホワイトゼノア』『ブラウン・ターキー』『ビオレーソリエス』『セレスト』、夏果専用種の『ビオレードーフィン』『ザ・キング』などがあります。

特性

無農薬で作れるうえ、結実の技術もほとんどいりません。また、完熟果のひと味違うおいしさは、家庭で作ってこそ味わえるものですから、楽しみの多い家庭向き果樹といえます。柔らかくて、消化も良く、糖分は10%ぐらいですが、酸味が少ないので甘く感じます。漢字では「無花果」と書きますが、果実として食べるのは、肥大化した花序の花軸の部分です。昔から便秘に良く効き、掌状しょうじょうの葉は痔疾じしつに効くといわれます。

作型

普通栽培(夏果)

普通栽培(夏果)

普通栽培(秋果)

普通栽培(秋果)

 

栽培のポイント

栽培適地

耐寒性が弱いので、関東南部以南です。家庭での栽培ならもう少し北でも大丈夫です。ただし、高温期間が短くなるので、熟期の遅い在来種は無理です。なお、ときには枝先に冷害を受けることがありますが、木が枯れるようなことはありません。

結果習性

夏果と秋果があります。夏果は春の発芽と同時に前年枝の先端に育ち、7~8月上旬までに熟します。秋果は春から伸長する枝の葉腋ようえきに着果し、8月中旬以降に熟します。したがって、夏果は前年に花芽ができているので、せん定で枝を切り詰めると実が着きにくくなりますが、秋果は前年枝をどんなに切り詰めても、基本的には問題ありません。
なお、夏果は品種によって実着きの良いものと悪いものとがあります。

整枝・せん定

果樹園では『桝井ドーフィン』を一文字仕立てで栽培していますが、一般家庭には不向きです。いずれの品種も支柱を1本から3本くらいにし、防鳥や収穫のことを考え、枝は高くしないように誘引し、やや横張りに仕立てるのが無難です。

施肥

日ごろから生ゴミなど有機物を利用して株もとに与えておけば、購入した肥料は必要ありません。与えるとしても、化成肥料を発芽時と枝が伸びた5月ごろに施す程度で十分です。

病害虫防除

大敵は、枝や幹に食い入って枯らすカミキリムシです。イチジクに寄生するカミキリムシは、キボシカミキリとクワカミキリです。キボシカミキリは主幹や主枝などの太い枝に産卵し、クワカミキリは細い枝に産卵します。成虫は6~10月ころまで発生しますから、見付けしだい捕殺しましょう。
なお、産卵できないように、枝や幹にアルミ箔またはテープなどを巻き付けてみるのも良いでしょう。

鳥害対策

網をかけるのが手っ取り早い方法です。しかし、夏果など実着きが少ないときは、果実がふくらんできたら、袋掛けするのも良いでしょう。

庭植えの仕立て方

主幹形仕立て

苗木は高さ70~80㎝で切り、植え付ける。
主幹は1本まっすぐ伸ばし、適度に切り詰めて側枝を出させる。

杯状仕立て

場所はとるが、収穫が楽で、鳥害防止の網も張りやすい。

結果習性とせん定

前年枝をせん定しない場合

夏果が比較的着く品種で夏果を着けたい場合

前年枝をせん定する場合

前年枝を切り詰めると夏果は着きにくいが、秋果は結実する。ただし、在来種のように樹勢が強い品種は良い果実がならない

カミキリムシ防除

虫糞を見付けたら、幹穴にスポイトなどで殺虫剤を注入し、木の枝でふさいでおく。2~3日後、糞が出ていなければ効果あり。