家庭菜園

スモモ

スモモ

落葉果樹・バラ科 スモモ

品種

栽培されている主なスモモは、セイヨウスモモとニホンスモモです。セイヨウスモモはプルーンとも呼ばれ、熟期は8月下旬以降です。日本では生食のみですが、主産国では干しスモモが主体です。品種は多く、お勧め品種の一例をあげると、『スタンレイ』『サンプルーン』『シュガー』などで、いずれも自家結実します。
ニホンスモモは熟期が6月下旬から7月下旬と早く、完熟果は甘く、とろけるようです。品種では自家結実性の『メスレー』や『ビューティ』のほか、自家不結実性なので授粉樹が必要ですが、相性の良い品種として『サンタローザ』と『ソルダム』がお勧めです。

特性

モモと同じく、古代から栽培されてきましたが、品種名が明らかになったのは明治時代以降です。現在の主な栽培品種は、在来種がアメリカに渡り、それが改良されて逆輸入されたものです。 ほとんど無農薬に近いかたちで作ることができる、家庭向きの果樹です。熟期の早い品種では6月下旬ごろから梅雨明けまでに収穫できるので、うっとうしい季節にさわやかな味と香りを楽しませてくれます。また、4月に咲く5弁花が美しいことから、庭木としても多く取り入れられています。

作型

普通栽培

栽培のポイント

栽培適地

ニホンスモモは雨が多く、夏が暑い日本の気候に適した種類です。しかし、セイヨウスモモは冷涼で雨の少ない気候を好むので、ニホンスモモより作りにくく、暖地では病気の発生が多くなります。

結実の確保

スモモのほとんどが自家不結実性です。同じ品種の花粉では結実しにくいので、開花期が同じか、やや早い異品種との混植が必要です。接ぎ木ができれば、1樹に2から3品種を接ぐと良いでしょう。
ただし、近年は訪花昆虫が少ないうえ、開花期が低温だと結実が悪いようです。その点、人工授粉なら確実です。

人口授粉

綿棒や羽毛ほうきで、品種相互に咲いている花をぬぐうようにします。確実なのは花粉を採取し、雌しべに付ける方法です。 授粉の適期は、開花直後よりも、4~5日たち、花弁が色あせて散る直前です。天候の状態を見て、2~3回行うと良いでしょう。

摘果

実を着け過ぎると、味が悪くなります。一般的には枝の長さ10~15㎝間隔に1果残すように摘果します。なお、結実が多い場合は、一度に摘果せず、2~3回に分けて行います。

整枝・せん定

2年枝に開花結実します。果樹園では開心自然形仕立てが一般的ですが、庭先なら収まりが良い変則主幹形仕立てが良いでしょう。 なお、徒長枝や長く伸び過ぎた枝は、切り詰め程度の軽いせん定をします。

施肥

実成りが良ければ収穫後、お礼肥として化成肥料を与えます。

病害虫防除

病気では黒斑病や灰星病、ふくろみ病などです。害虫ではアブラムシのほか、ゾウムシ、コスカシバ、カイガラムシなどが発生します。

鳥害対策

網をかけるのが手っ取り早い方法です。そのためには、網のかけやすい樹形にする必要があります。なお、大果品種で果実が少量なら、袋掛けも良いでしょう。

授粉の方法

花粉の採り方と貯蔵