それいけ!食農探検隊
名は体を表す?
名は体を表す?
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本当に暑いなー。こんなに暑いと食欲も無くなるよー。
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いっとくんが「食欲が無い」と言うなんて…。天変地異の前触れかしら?
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それはひどいよ。このところの暑さは異常じゃない?こんなときは冷たくてつるっと食べられるものが良いなあ。
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冷たくてつるっと食べられるもの?ところてんに、そうめんに、オクラに…。他に何かあるかなあ?
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ここは「つる」つながりでツルムラサキをおすすめしておこうかしら。オクラに似たねばねばがあって食べやすいの。葉物が少ない夏に旬が来る野菜よ。
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ツルムラサキ?緑色の葉と紫色の茎の対比がきれいなつる草のことですか?
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それは茎が紫色の赤茎種のことだね。普通は観賞用にするけれど、野菜として食べることもできるよ。
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では、食用にされているのは?
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お店に並んでいることが多いのは茎が緑色の青茎種ね。青茎種の方が味が良いとされているのよ。
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赤茎種はともかく、青茎種は茎が緑色でツルムラサキとは、名は体を表していませんね。
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青茎種でも実は紫色なんだよ。「紫色の実をつけるつる草」だからツルムラサキと名付けられたと言われている。日本に入ってきたのは江戸時代の初めで、青茎種の方が早かったから、こちらの意見がもっともらしいね。
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元々は日本に無かったんですね。ツルムラサキの生まれ故郷・原産地はどこなんですか?
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原産地はインドから東南アジアの熱帯地域とされている。原産地では約2000年前から食べられていたとする意見もあるよ。日本に入ったころの書物でも「葉は菜としてよし」とあるんだけれど、実際には先に入った青茎種も含めて観賞用にされていたようだね。
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それでは日本で食べられるようになるのはいつからですか?
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昭和になってからね。1970年代になりチンゲンサイをはじめとする中国野菜ブームが起きてからだから。
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ツルムラサキにはどんな栄養があるんですか?
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優れた緑黄色野菜でベータカロテン、ビタミンC、鉄分が多い。特にすごいのはカルシウムで、同じ重さなら含まれる量はホウレンソウの3倍以上で牛乳をも上回るんだ。骨粗鬆症の予防にも役立ってくれそうだね。
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どんな料理がおすすめですか?
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中国野菜として見直されたのだから炒め物や揚げ物に合うことは当然ね。ねばねばがあるから、意外にも和食のお浸しにも合うのよ。
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日本では今でも新顔野菜。より美味しく、より栄養を取ることができる料理をもっともっと広げてほしいね。
補足
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ツルムラサキはホウレンソウに似た見た目や調理方法からか、英語ではホウレンソウを意味する「Spinach」が付くことが多いのですが、ホウレンソウはヒユ科、ツルムラサキはツルムラサキ科と違います。また本来の旬は、ホウレンソウが11月から1月の冬、ツルムラサキは6月から8月の夏と正反対です。世界的には先に野菜として食べられていたのは、より栄養が多いツルムラサキなので、「一緒にするな!」と思っている…かも。







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