それいけ!食農探検隊

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  • #022

ゴーヤはあま

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ゴーヤはあま

  • キャラクター

    これより、(しょく)(のう)探検(たんけん)(たい)会議(かいぎ)開催(かいさい)する。今回(こんかい)議題(ぎだい)は?

  • キャラクター

    今回(こんかい)議題(ぎだい)は「(あま)いゴーヤは()いのですか」です。(はじ)めにゴーヤの栄養(えいよう)効能(こうのう)についてあぐりちゃんからの報告(ほうこく)です。

  • キャラクター

    報告(ほうこく)します。ゴーヤのビタミンCは夏野菜(なつやさい)(なか)ではトップクラスです。しかも()(とお)しても(こわ)れにくいといわれています。苦味(にがみ)血圧(けつあつ)血糖(けっとう)()()げる効果(こうか)期待(きたい)できて、食欲(しょくよく)()すので(なつ)バテ()(ふせ)ぎます。(あつ)地域(ちいき)(この)んで()べられているだけのことはあります。

  • キャラクター

    ()(かた)にも特徴(とくちょう)があるね。縦半分(たてはんぶん)()って、(なか)のわたを()(のぞ)いて、三日月(みかづき)のような(かたち)薄切(うすぎ)りにして…。

  • キャラクター

    その()(かた)世界(せかい)共通(きょうつう)ではありません。

  • キャラクター

    じゃあ、どんな()(かた)をしているの?

  • キャラクター

    インドではほぼ(ぎゃく)です。表面(ひょうめん)のでこぼこを()(のぞ)き、わたをそのままに輪切(わぎ)りにします。インドの(かた)()わせれば、わたのほうが苦味(にがみ)(すく)なく美味(おい)しいそうです。観賞(かんしょう)(よう)として(そだ)てて()べない(くに)(おお)いです。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    (ところ)()われば()(かた)使(つか)(かた)()わるんだね。(つぎ)報告(ほうこく)は?

  • キャラクター

    (つづ)いて、ゴーヤの歴史(れきし)についていっとくんからの報告(ほうこく)です。

  • キャラクター

    報告(ほうこく)します。ゴーヤはウリ()ツルレイシ(ぞく)(ぞく)し、原産地(げんさんち)はアジアの熱帯(ねったい)地方(ちほう)とされています。(いま)から600(ねん)くらい(むかし)現在(げんざい)沖縄県(おきなわけん)(つた)わって、それから100(ねん)くらいで九州(きゅうしゅう)四国(しこく)本州(ほんしゅう)にも(つた)わりましたが、野菜(やさい)として()べていたのは沖縄県(おきなわけん)九州(きゅうしゅう)南部(なんぶ)だけでした。全国(ぜんこく)()べられるようになるのは平成(へいせい)5(1993)(ねん)からです。

  • キャラクター

    ずいぶんと時間(じかん)()があるね。(なに)理由(りゆう)があるのかい?

  • キャラクター

    沖縄県(おきなわけん)には害虫(がいちゅう)のウリミバエがいました。(おも)にスイカ、キュウリなどを()べますが、トマトやピーマン、パパイヤといった様々(さまざま)作物(さくもつ)()べてしまいます。本州(ほんしゅう)(はい)ってくることを(ふせ)ぐために、20(ねん)以上(いじょう)年月(ねんげつ)と、200(おく)(えん)以上(いじょう)費用(ひよう)をかけて駆除(くじょ)するまで沖縄県(おきなわけん)からゴーヤの()()せなかったんです。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    (いま)では日本(にほん)全国(ぜんこく)流通(りゅうつう)して利用(りよう)されているわね。苦味(にがみ)あってのゴーヤだものね。

  • キャラクター

    元々(もともと)、ゴーヤとは沖縄県(おきなわけん)での()(かた)で、本州(ほんしゅう)ではニガウリと()ぶことも(おお)いのです。日本語(にほんご)での正式(せいしき)名称(めいしょう)標準(ひょうじゅん)和名(わめい)()いますが、この植物(しょくぶつ)標準(ひょうじゅん)和名(わめい)はツルレイシです。でこぼこした()(かたち)果物(くだもの)のライチ、別名(べつめい)レイシに()ているから、つる(くさ)(みの)るレイシでツルレイシと名付(なづ)けられました。

  • キャラクター

    ライチに()ているから?(あじ)(まった)(ちが)うよね?

  • キャラクター

    (にが)いのは未熟(みじゅく)()()べているからです。完熟(かんじゅく)すると()表面(ひょうめん)黄色(きいろ)になって、()れて(なか)()えるようになります。()(なか)にある(たね)(つつ)んでいる(あか)いゼリー(じょう)のものが(あま)いのです。

  • キャラクター

    ゴーヤはこの黄色(きいろ)(あか)というあざやかな(いろ)(あま)さで(とり)()べてもらって、(たね)(ひろ)めていました。

補足

  • キャラクター

    報告(ほうこく)にありましたウリミバエは沖縄県(おきなわけん)から徐々(じょじょ)生息域(せいそくいき)北上(ほくじょう)させてきました。(おお)きさが1㎝にもならない(むし)ですがその被害(ひがい)深刻(しんこく)で、そのままでは日本(にほん)野菜(やさい)全滅(ぜんめつ)しかねないところでした。先人(せんじん)たちは()どもが(つく)れないウリミバエを大量(たいりょう)(そだ)てて(はな)大胆(だいたん)作戦(さくせん)不断(ふだん)努力(どりょく)駆除(くじょ)成功(せいこう)しました。今日(こんにち)ゴーヤを手軽(てがる)()べられるのもこうした先人(せんじん)たちのご苦労(くろう)賜物(たまもの)であることを(わす)れてはいけませんね。