それいけ!食農探検隊
花もきれいだけれど
花もきれいだけれど
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このナバナの
炒 め物 、美味 しいね。そもそもナバナとは何 なのかな?菜 の花 とは違 うのかな? -
植物 としての名前 でナバナと呼 ばれるものは無 いんだよ。狭 い意味 ではアブラナのつぼみとその茎 や葉 を野菜 として食 べる場合 に、ナバナと呼 ぶんだよ。菜 の花 は開 ききったきれいな花 そのものを意味 することが多 いね。 -
狭 い意味 ではアブラナとのことですが、広 い意味 もあるんですか? -
同 じ科 しかも同 じ属 にある植物 はよく似 ているもの。特 に花 の形 は古 くから基準 とされていて、似 たような花 やつぼみを付 ける野菜 は多 いのよ。アブラナ科 アブラナ属 のキャベツ、ハクサイ、カブなんかはみんなそうよ。だからこれらのつぼみもナバナといってもよいわね。 -
ナバナには
炒 め物 以外 にどんな食 べ方 があるんでしょうか? -
ナバナには
和 え物 や漬物 など色々 な食 べ方 があるのよ。ベータカロテンやビタミンC、カルシウム、食物 繊維 などを多 く含 む緑黄色 野菜 よ。 -
ナバナはどこで
多 く作 られているんですか? -
ナバナの
統計 は主 につぼみを食 べるものと、茎 を食 べるものに分 けられていて、生産 量 はつぼみを食 べるもののほうが多 い。都道府県 別 に多 く生産 しているのは、つぼみを食 べるものは千葉県 や徳島県 、香川県 、高知県 といった四国 の各県 、茎 を食 べるものは三重県 、東京都 、新潟県 、栃木県 といったところだ。初 めは食用 以外 で栽培 していた産地 も多 い。 -
なぜかナバナは
三重県 のイメージがあるんですけれど…? -
有名 なテーマパークがあるからそんな印象 かな?ちなみに、つぼみを食 べるものなら大阪府 の生産 量 は三重県 よりも多 いんだよ。 -
初 めは食用 以外 でとのことですが、どんな利用 のされ方 をしていたんですか? -
昔 は種 を搾 って油 を作 っていたのよ。採 れた油 は行灯 と呼 ぶ照明 に使 われていて、江戸時代 には「江戸 の灯 りは伊勢 で持 つ」とも言 われるくらい、伊勢 、現在 の三重県 では盛 んに栽培 されていたのよ。現在 では多 くの産地 で田 んぼの裏作 として栽培 されているのよ。 -
田 んぼが空 く冬 の間 に作 るんですか。効率 が良 さそうですね。 -
確 かに田 んぼを使 う意味 での効率 は良 い。でも、苗 づくりが8月 下旬 からと台風 の時期 だし、基本的 に平 らな田 んぼに、水 はけを良 くするための高 い畝 を作 らないといけない、逆 に春 には田 んぼに戻 すために平 らにしないといけないとか、大変 なこともあるんだよ。 -
ナバナはいつごろから
食 べるようになったんですか? -
油 目的 で栽培 していてもより良 い種 を採 るために、余分 なつぼみは摘 み取 っていてそれを食 べていたようだから、いつから食 べるようになったかははっきりしないの。それに、そのころは自分 で食 べても出荷 はしてなかったし。 -
美味 しいし、栄養 も多 いのになぜ? -
キャベツやハクサイなら
葉 、カブなら胚 軸 と呼 ばれる土 の中 の部分 を主 な目的 とする。とう立 ちしてしまったら主 な目的 のところに栄養 が行 かなくなる。だからとう立 ちして咲 いた花 の後 にできる種 を目的 とするアブラナはともかく、他 の野菜 では売 り物 にならないと思 うのも無理 ないかな。美味 しさや栄養 に気 づいた人 が多 くなって、新 たな価値 が生 まれたということだろうな。
補足
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ナバナになる
植物 はアブラナとその仲間 たちですから、春 に黄色 い花 を咲 かせます。ナバナは花 が咲 く直前 のつぼみを食 べるのですから春 が旬 …、ということになりますね。しかし、実際 の売 り場 では10月 から翌年 の5月 ごろまで見 かけます。まだ寒 い時期 に春 を先取 りしたい人 が多 いのでしょうね。