季節(きせつ)が少(すこ)し遅(おそ)いわね。日本(にほん)でギンナンが採(と)れるのは８月(がつ)～11月(がつ)中(なか)ごろ。11月(がつ)中(なか)ごろでもイチョウの葉(は)は黄色(きいろ)になり始(はじ)めだから、黄色(きいろ)一色(いっしょく)のこの状態(じょうたい)ではね。

このにおいのために野生(やせい)のサルやネズミも食(た)べないといわれるギンナンを、人間(にんげん)は下処理(したしょり)を工夫(くふう)することで食(た)べているんだから、考(かんが)えてみれば物好(ものず)きなご先祖(せんぞ)様(さま)がいたものよね。

色々(いろいろ)なやり方(かた)があるみたいね。ポリ(ぽり)袋(ぶくろ)にいれて外側(そとがわ)から手(て)で一(ひと)つ一(ひと)つ皮(かわ)をはがすとか、水(みず)にひたしてかきまぜて皮(かわ)を取(と)るとか、川(かわ)の中(なか)で洗(あら)って皮(かわ)を流(なが)すとか、土(つち)にうめて皮(かわ)だけがくさって取(と)れるのを待(ま)つとか。

ミネラルが豊富(ほうふ)で、中(なか)でもマグネシウムが多(おお)いのよ。マグネシウムは体(からだ)の中(なか)の酵素(こうそ)の働(はたら)きを助(たす)け、新陳代謝(しんちんたいしゃ)に必要(ひつよう)な栄養素(えいようそ)なのね。クセになる美味(おい)しさだけれど、食(た)べ過(す)ぎると食中毒(しょくちゅうどく)を起(お)こすこともあるから一日(にち)に数個(すうこ)にしましょうね。

年(とし)を経(へ)て大(おお)きくなったイチョウではしばしば、幹(みき)からこぶが垂(た)れ下(さ)がることがあります。このこぶを女性(じょせい)の乳房(ちぶさ)に見立(みた)てて、お乳(ちち)が良(よ)く出(で)ますようにと願(ねが)うお母(かあ)さんたちにお参(まい)りされているイチョウが全国(ぜんこく)各地(かくち)にあります。街路樹(がいろじゅ)にも使(つか)われるようにイチョウは生命力(せいめいりょく)の強(つよ)い木(き)。このような信仰(しんこう)対象(たいしょう)になることも当然(とうぜん)かもしれませんね。