JAグループ大阪人権推進基本方針
JAグループ大阪においては、1984年(昭和59年)に大阪府農協同和対策推進連絡会(以下「農協同推連」という。)を創設し、同和・人権問題についての意識啓発に一定の役割を果たしてきた。
しかしながら、2000年代に入り、企業による不祥事が多発し、企業倫理やコンプライアンスの確立が強く求められ、さらに、企業の社会的評価基準の重要な指標として、企業の人権意識や人権問題への取り組みをすすめる環境が整い、国内外で企業の社会的責任(CSR)や企業倫理に関する規格づくりに向けての取り組みが進められた。また「人権」は「環境」と並んで企業のリスクマネジメントの重要な分野であると理解されてきた。
また、21世紀を「人権の世紀」とすることは、世界の多くの人々に共通する願いであり、これを実現するため、「人権教育のための国連10年」などの国際的な取り組みの中、わが国では2000年(平成12年)12月に「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が制定されるなど、国・地方公共団体・国民が、同和問題をはじめ、女性、障害者、外国人などあらゆる人権問題の解決に向けた教育や啓発に取り組み、人権という普遍的文化の創造を目指し積極的かつ具体的に行動・実践することが求められてきた。
このような中、2003年(平成15年)8月に学識経験者・人権問題精通者等の参画を得て「農協同推連あり方検討会」を設置し、これからの組織と事業展開のあり方等について幅広く議論を重ね、2004年(平成16年)3月に「農協同推連あり方検討会報告書」が取りまとめられた。
この報告書を踏まえ、同年7月に農協同推連を発展的解消し新たに設立した「JAグループ大阪人権啓発推進連絡会」(以下「JA人推連」という。)は、JAグループ大阪が従来にも増して人権啓発活動の積極的な取り組みを行うため、JAグループ大阪人権推進基本方針を策定した。
2025年6月に人権教育・啓発に関する基本計画(第二次)が策定されたことをふまえ、今般、改めて現状課題等を精査するとともに、時代に即した方針とするため、従来の基本方針の一部を見直し、新たなJAグループ大阪人権推進基本方針を次の通り策定した。
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- 基本的な考え方
JA人推連は、JAグループ大阪が企業市民として、一人ひとりの人権が尊重される明るい地域社会づくりの中心的役割を果たすことを目指す。
このため、JAグループ大阪は人権問題への取り組みの重要性を認識し、人権啓発活動の活性化に向け、同和問題をはじめ様々な人権問題について広く啓発事業に取り組むとともに、大阪府、市町村及び関係団体と連携・協力し、啓発団体として一層のレベルアップを図る。 - 人権課題の解決に向けた取り組み
JA人推連は、昨今の人権をめぐる社会経済情勢の変化による人権課題を鑑み、基本的考え方を実現するため、研修・啓発活動の充実や地域との連携の強化、組織の整備等に関して、次により取り組む。
(1)人権デュー・ディリジェンスの推進
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、JAグループ大阪の事業活動により影響を受ける人々の人権を尊重するための仕組みを整理し、その仕組みについての理解促進を図る。(2)ビジネスと人権による仕組みの整備
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」等に基づく国際的枠組みであり、JAグループ大阪は人権を尊重しながら地域に密着した組織としての責任や農業・くらし等に関わる幅広い事業活動を行う観点からより高い倫理性が求められる。このことから、差別のないサービスの提供や公正な雇用・職場環境の整備等を図る。(3)インターネット上の人権侵害への対応
近年、SNSなどにおける人権侵害が重大な社会問題になっている。大阪府インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例に基づき、JAグループ大阪においても、情報モラル教育やSNS利用ルールの明確化が求められており、迅速な対応に対する体制づくりを図る。(4)人権に関する法律の理解および包括的な人権の法制度実現への活動に対する理解促進
部落差別解消推進法、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法のいわゆる差別解消三法が施行され10年を迎えた。また、LGBT理解増進法、アイヌ新法等について、JAグループ大阪全体で差別の実態や取り組み状況を理解するとともに差別廃止を規定する包括的な差別禁止法の制定や国内人権機関の設置に向けた取り組みの理解促進を図る。
※法律の正式名称は、付属資料を参照。
(5)研修の充実
企業にとって、「人権」はコンプライアンスの重要な要素に位置付けられており、JAグループ大阪としても人権啓発の推進を図るために、計画的な研修の実施や職場内指導者の養成ができる仕組みをつくる。- 中央会やJA・連合会(以下「各会員」という。)の研修体系(役員を含む)に人権研修を明確に位置付けるとともに、各会員は、人権研修実施計画を毎年策定し、その実現を図る。
- JAグループ大阪全体の人権研修の活性化を図るため、トップ層に対する研修の充実・強化を重点的に行うとともに、各階層にわたって研修を実施する。特に下記項目については、重点取組として取り組むこととする。①同和問題をはじめとする人権課題、②人権デュー・ディリジェンス、③ビジネスと人権、④ハラスメント防止、⑤多様性の尊重、⑥インターネット上の人権侵害等について開催、⑦人権に関する法律の理解、⑧農業に従事する外国人労働者等の人権への理解。特に、同和問題については、当事者の話を聞いたり、フィールドワーク等を取り入れる。
- 各会員で自主的な研修を実施するためには、指導者の養成や資質向上が不可欠であることから、大阪府や市町村等他団体が実施する人権問題の各種講座へ計画的に参加する。
- 研修の受講履歴を管理するため、役職員全体の研修履歴管理システムを構築する。
- 啓発活動の充実
JAは「ひと」との結びつきを基礎とする、地域密着の「コミュニティ型事業体」であることから、JAが地域における情報発信基地としての機能を発揮し、地域社会に貢献する。- 組合員やJA利用者を対象に発行する広報誌の記事内容の充実を図るため、市町村広報誌などの記事と併せ、自らが取材した記事や体験談、地域における人権関係イベント情報など、地域における人権問題に関する記事を発信する。
- ホームページなどいろいろな媒体や、地域住民との交流の場である農業祭などのイベントなどにおける情報発信の機会を通じ、地域における人権啓発活動を推進する。
- 公益財団法人大阪人権博物館(リバティおおさか)、一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)や、一般財団法人大阪府人権協会や一般社団法人部落解放・人権研究所、部落解放同盟大阪府連合会など、人権教育・啓発に取り組んでいる機関とさらに連携を深め、それぞれが蓄積した貴重な実績とノウハウを活用しながら、一層のスキルアップを図る。
- 地域との連携
「地域との共生」を掲げて活動するJAは、「農」を通じた地域の活性化やコミュニティの再生などに果たす役割も期待されていることから、JAがその特性を活かし、人権をはじめ、環境保全やまちづくりなど様々な局面で地域社会に主体的に参画して、組合員や地域住民の人権意識の高揚を図る。- 地域のコミュニティづくりや差別意識の解消を図るため、JAが、従来から実施してきた市民農園、朝市・直売所、農業祭や農業体験など「農」を介した地域住民との交流について、地域人権協議会(協会)をはじめとする人権関係団体と連携し、人権の視点を取り入れた事業展開を進めるなど、さらに充実させる。
- 企人協地域連絡会や市町村人権啓発推進協議会など地元の人権啓発団体に積極的に参画し、共同した取り組みを進める。
- 組織の整備・連携
上記の2.(1)~(5)の諸取組みについて各会員がそれぞれの規模や特性に応じて円滑に推進し、かつ、JAグループ大阪が全体として有機的な連携のもとに着実な実施が図られるよう、各会員に、それぞれのトップ層を長とする人権啓発推進組織を設置し、JA人推連と連携・協同して人権啓発活動を行うこととする。 - 取り組み方策推進プラン
JAグループ大阪は同和問題をはじめとする様々な人権問題について広く啓発活動に取り組むため、引続き「JAグループ大阪人権推進基本方針」を遵守し、その具体的な実践のために「今後の人権に対する取組み方針」を新たに策定する。
「今後の人権に対する取組み方針」は、人推連が自立した啓発団体として自らの責任に於いて進捗管理を行うこととする。また、人権侵害、差別事象、ハラスメント等コンプライアンスに関する相談体制(ヘルプライン)は、整備されているが、人権を取巻く環境の変化等見直しの必要が生じたときは、人権関係団体との連携や第三者の意見や評価を受けながら適宜・適切に見直しを行うものとする。
- 基本的な考え方
付属資料
○関係法令一覧(前述掲載の法律のみ)
■部落差別解消推進法
正式名称 部落差別の解消の推進に関する法律 平成28(2016)年施行
■障害者差別解消法
正式名称 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 平成28(2016)年施行
■ヘイトスピーチ解消法
正式名称 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律 平成28(2016)年施行
■LGBT理解増進法
正式名称 性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律 令和5(2023)年施行
■アイヌ新法
正式名称 アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律 令和元(2019)年施行







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