それいけ!食農探検隊

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  • #015

ライ麦むぎの戦略せんりゃく

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ライ麦むぎの戦略せんりゃく

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    これより、食農探検隊会議しょくのうたんけんたいかいぎを開催かいさいする。今回こんかいの議題ぎだいは?

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    今回こんかいの議題ぎだいは「小麦こむぎで作つくったパンは白しろいものが多おおいのに、ライ麦むぎで作つくったパンはなぜ黒くろいものが多おおいのですか」です。初はじめに、ライ麦むぎの栄養えいよう、効能こうのうについてあぐりちゃんからの報告ほうこくです。

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    報告ほうこくします。ライ麦むぎの実みを粉こなにすれば小麦こむぎと同おなじようなパンにすることができます。小麦こむぎで作つくったものと比くらべると色いろが黒くろいのは、ライ麦むぎ自体じたいが元々もともと黒くろみが強つよいことと、わざと皮かわや胚芽はいがを残のこす精白せいはくをしているからです。また、ライ麦むぎはパンをふっくらさせるグルテンをほとんど持もっていません。したがって、硬かたいパンになります。

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    ライ麦むぎのパンは酸すっぱいこともあるね。どうしてかな?

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    パンを作(つく)る手順(てじゅん)の最後(さいご)は窯(かま)で焼(や)くことですが、その前(まえ)に発酵(はっこう)させます。発酵(はっこう)を担(にな)うのは酵母(こうぼ)ですが、小麦(こむぎ)用(よう)の純粋(じゅんすい)なイーストではグルテンを持(も)たないライ()麦(むぎ)の生地(きじ)を十分(じゅうぶん)に膨(ふく)らませることができません。ライ()麦(むぎ)に適(てき)したサワー種(たね)と呼(よ)ばれる酵母(こうぼ)を使(つか)うのですが、これが乳酸(にゅうさん)発酵(はっこう)もするので酸(す)っぱくなります。

  • キャラクター

    ライ()麦(むぎ)のパンの特徴(とくちょう)は何(なに)かしら?

  • キャラクター

    小麦(こむぎ)のパンと比(くら)べるとビタミンやミネラル、食物(しょくもつ)繊維(せんい)が多(おお)く、硬(かた)さがあって噛(か)む回(かい)数(すう)が増(ふ)えることで、満腹感(まんぷくかん)が得(え)やすいです。硬(かた)いことは水分(すいぶん)が少(すく)ないことでもあり、発酵(はっこう)でできた乳酸(にゅうさん)の影響(えいきょう)もあって日持(ひも)ちします。独特(どくとく)な風(ふう)味(み)があるのでチーズやハム、野菜(やさい)を乗(の)せ、塩(しお)コショウで味(あじ)を整(ととの)えて食(た)べることがおすすめです。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    日本(にほん)ではライ()麦(むぎ)100%のパンはめずらしいが、栄養(えいよう)や食(しょく)の変化(へんか)を楽(たの)しめるようだね。次(つぎ)の報告(ほうこく)は?

  • キャラクター

    続(つづ)いて、ライ()麦(むぎ)の歴史(れきし)についていっとくんからの報告(ほうこく)です。

  • キャラクター

    報告(ほうこく)します。ライ()麦(むぎ)はイネ()科(か)ライムギ属(ぞく)に属(ぞく)し、本格的(ほんかくてき)に栽培(さいばい)が始(はじ)められるのは2世紀(せいき)ごろからといわれています。それまでは小麦畑(こむぎばたけ)の雑草(ざっそう)扱(あつか)いだったライ()麦(むぎ)は、形(かたち)をより小麦(こむぎ)に似(に)せた個体(こたい)が除草(じょそう)を逃(のが)れ、次(つぎ)の年(とし)の栽培(さいばい)でもより小麦(こむぎ)に似(に)せた個体(こたい)が除草(じょそう)を逃(のが)れ…、を繰(く)り返(かえ)して小麦(こむぎ)の中(なか)に潜(ひそ)んでいました。

  • キャラクター

    雑草(ざっそう)がどうして貴重(きちょう)な穀物(こくもつ)になったの?

  • キャラクター

    西暦(せいれき)紀元(きげん)のころからヨーロッパではローマ帝国(ていこく)が勢力(せいりょく)を広(ひろ)げていきますが、小麦(こむぎ)の栽培(さいばい)もそれに従(したが)って北(きた)へと広(ひろ)がっていきました。現在(げんざい)のドイツあたりまで来(く)ると、当時(とうじ)の技術(ぎじゅつ)では小麦(こむぎ)を栽培(さいばい)するには寒(さむ)すぎたのです。気(き)づけば実(みの)っているのはライ()麦(むぎ)ばかり…。そこで、酵母(こうぼ)や調理(ちょうり)方法(ほうほう)を工夫(くふう)することで食用(しょくよう)に取(と)り入(い)れられました。

  • キャラクター

    形(かたち)を似(に)せて生(い)き延(の)び続(つづ)けて、きびしい環境(かんきょう)にも平気(へいき)なことを見(み)せつけて食用(しょくよう)の座(ざ)を勝(か)ち取(と)る…。ライ()麦(むぎ)もなかなか強(したた)かな戦略家(せんりゃくか)だね。食用(しょくよう)以外(いがい)にもどんな使(つか)われ方(かた)をしているのかな?

  • キャラクター

    ライ()麦(むぎ)は2mまで茎(くき)を伸(の)ばすので、大(おお)きなワラを得(え)ることができます。根(ね)も2m近(ちか)くまで伸(の)ばすといわれていて、畑(はたけ)を深(ふか)く耕(たがや)すことが期待(きたい)できます。マルチの代(か)わりに敷(し)きワラに使(つか)ったり、すき込(こ)んで緑肥(りょくひ)にする専用(せんよう)の品種(ひんしゅ)もあります。以上(いじょう)です。

  • キャラクター

    米作(こめづく)りもそうだが、食(た)べ物(もの)だけが農業(のうぎょう)の成果(せいか)ではない。特(とく)にワラは工芸(こうげい)品(ひん)の材料(ざいりょう)にもなる優(すぐ)れものだから、環境(かんきょう)への貢献(こうけん)度合(どあ)いも注目(ちゅうもく)したいね。

補足

  • キャラクター

    日本(にほん)ではパン()食(しょく)自体(じたい)が明治(めいじ)になってから広(ひろ)まったのでそこまでではありませんが、ヨーロッパではローマ帝国(ていこく)の時代(じだい)からライ()麦(むぎ)は貧(まず)しい人(ひと)の食(た)べ物(もの)との印象(いんしょう)があって、小麦(こむぎ)の栽培(さいばい)技術(ぎじゅつ)の発展(はってん)によりしだいに生産(せいさん)量(りょう)を減(へ)らしていきました。昨今(さっこん)の健康(けんこう)志向(しこう)によってライ()麦(むぎ)の良(よ)さが見直(みなお)されています。これから再(ふたた)びライ()麦(むぎ)の栽培(さいばい)が盛(さか)んになるのでしょうか?